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はみだしにっき

2008年元旦

明けましておめでとうございます。

今年もあっという間に明けてしまいました。二年前に買ったクリスマスカードをまたしても使わないまま、クリスマスが過ぎてお正月になってしまいました。大叔父の喪中ではありますが、大往生だったおじさんは天国から笑顔で「おめでとう」と言ってくれている気がします。

それにしても、マウイに来てからの年越しは物足りません。行事としてはクリスマスが大きすぎるので、それが終わったばかりの新年は、もう一つのパーティの理由ではあるけど、別に大したことではない、という感じ。しかも私には年を越すのに必要なアイテムが全く足りないのです。

まず、紅白がない。先日、妹に「紅白ないんだもん」と言ったら、「え?お姉ちゃん、紅白見たいの?」と笑われましたが、見たいんですね、それが。つまらないんじゃないか、見たら後悔するんじゃないかと思いながらも紅白を見て、見たら見たで時々泣いちゃったりして、そのくせ終わったら「今年もつまらなかったね」とか言いながらだらだら夜更かししないとカンジが出ないんです。(紅白はマウイでも年明けに放送されますが、私はテレビ無しの生活をかれこれ三年近く送っているので・・・つまり、「マウイに紅白がない」って言うべきじゃないんですけどね)

大晦日の夜更かしにはソバも必要ですねえ。あとねえ、今朝感じたことなのですが、日本の元旦の朝の、あの白けたような静寂というか、わけもなく妙に清々しい感じというか、そういうのがないんですね。私だけがそういう風に感じていたのかもしれないけど、日本のお正月の、シンとした空気がマウイにはなくて、道路には昨夜の花火の残骸が散らばっていて、新年早々キタナイんです。年賀状もないし、箱根駅伝もないし、隠し芸大会もないし、お雑煮もないし。お雑煮は作ればいいんですけど。お年玉もないしねえ・・・って、もういい加減あげる側か・・・。

でもまあ、私がどう感じようと年は明けたので、今年がよい年になりますよう、お祈りしております。つまらない決まり文句を言うようですが、最近そういうシンプルなことが自分にとっては大事になってきました。私自身も、ほかの人たちも、無事に過ごせますようにって、ほんとに思います。

ところで今朝、職場のホテルに向かう途中、ものすごい人数がジョギングしているのを見ました。ジョギングしている人は常にいるけど、今朝はものすごかったんです。マラソン大会かと思ったくらい。職場に着いたら同僚も同じ話をしていて「きっとあれだよね、新年の抱負だよね、三日間だけの」と言って笑い合いました。

私はこれまで新年だろうと新学期だろうと、抱負とか目標というものを設定しことがないのですが(学校で無理矢理なにか言わされたことはあるけど)、でもふと思い出しました。何日か前に買った新しい聖書に、365コのお話が載っているのです。聖書の教えに関連する短いお話が、一日一つ、一年分。それを見て「よし、ちょうどいいから来年は毎日コレを読もう。読んだらその日の日付を書いて大晦日まで読み続けよう」って思ってました(笑)。これって抱負って言えるのかな???とりあえず、元旦の夜八時現在、第一話はまだ読んでません・・・・・・。ま、いいと思うならすぐに読み始めればいいのに、次の年まで持ち越すところで先が見えてますけどね。(いや、まだ元旦は終わってない。まだ始められる・・・)

そうそう、子供の頃「将来の夢は?」という質問も苦手でした。色んな夢をテレもせずに語るクラスメイトを、信じられない思いで眺めていました。でも、もし私が何かになりたかったとしたら魔女でした。しかも悪い魔女。お姫様を救ういい魔法使いじゃなくてね。姿はキレイな、黒い服を着て、赤い口紅をして、そう、映画「アダムスファミリー」のあの魔女みたいな。でもまあ、魔女になるのは無理なので、せめて人間の範囲でできる魔性の何か、傾国の美女とか、本心を見せないナゾの女とか、常識にとらわれない波瀾万丈で自由奔放な人生とか・・・。そういうのを夢見ていたんです。

ところがですね、さっきも書いたように、最近は静かで平和な感じに惹かれるのです。そういうベースの上で、やっぱり人間だから間違いもするし、人を傷つけてしまったり自分が傷ついたりもするし、様々な葛藤があるんだけど、それらを通り抜ける過程で、悪意を抱かずに、清く正しく美しくいられるのがいいかな、と。正しさを押し付けて自分も人も苦しくなるのは嫌なんだけど、本当の正しさって「正解」を生きようとして苦しくなることでもないんじゃないか、と思ったり。じゃあ何か?というのは、まだ説明できないんだけど。以下は、このところ私が繰り返し自分に言い聞かせている聖書の言葉です。

あなた方の思考を、真実のもの、尊いもの、正しいものに向けなさい。純粋なもの、美しいもの、立派なもののことを考えなさい。優秀なもの、賞賛に値するものについて考えなさい。

・・・考えるだけじゃダメだけど、でも考えているうちに、近づけるかもしれません。少なくとも、まったく意識しないよりいいはずです。この言葉を読む度に思い出すのが、退屈だった美大の入学式のなかで唯一(ごめんなさい)印象的だった学長挨拶です。先生の言葉そのままではありませんが、こんな内容でした。「美しいものを生み出すためには何が美しいかを知らないといけません。これは学長としては言えませんが、一個人として、これから美術にたずさわるみなさんに申し上げたい。時には授業を休んでもいいのです。街に出て、あるいは自然に触れて、美しいものをできる限り見て吸収して来てください」。・・・生き方にも同じことが言えるのではないでしょうか。

あっという間あっという間といつも言っていますが、振り返ってみれば、去年も色々なことがありました。去年の手帳の一月のページの、世界一短い日記のような走り書きを読むと、「え?これってたった一年前のことだったっけ?」と驚きます。十月の終わりから休暇で日本やヨーロッパに行ったのはたった二ヶ月ほど前のことなのに、もう何年も前のような気もします。友人との別れや再会があったり、新しい出会いがあったり、確かに色々ありました。その色々を思い返すたびに、私は人とのいい関係に支えられていることを実感します。いつもありがとうございます。去年もお世話になりました。そして今年も変わらず、宜しくお付き合いください。

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