これは年末に見たのですが、日本では間もなく公開のようなので、さらりと触れておきたいと思います。
ディカプリオはやっぱりうまかった。でも、若い頃に比べて苦しそうに見えるのは何なんでしょう。このところ醜くさえ見える役を、たぶん意識的に選んでいるんだろうけど、そしてどれもディカプリオの演技の見せ所と言えるんだけど、でもねえ。若い頃だって、演技力を充分に発揮していて、しかも美しかったしねえ。まあいいや。この次は「グレート・ギャッツビー」らしいので、美貌を楽しむのは次のお楽しみにしましょう。
で、映画ですが、モデルになった初代 FBI 長官のジョン・エドガー・フーヴァーという人は、限りなく謎めいていて、アメリカ合衆国の謎も知り尽くしているような人で、謎を暗闇に葬ったような人でもあって、彼の公私ともに興味が尽きません。ケネディ大統領のヒミツも、マリリン・モンローのヒミツも、あれもこれも、みんな彼は知っていたのでしょう。法執行機関の長官としての正義感や使命感と、その立場ゆえに集まって来る情報を自分自身の力にしてしまう黒い部分・・・そのせめぎあい、そこに潜む狂気の表現などは、ディカプリオの得意技とも言えます。で、観客にこの人物への興味を抱かせるという点では大成功だったと思う。
ただ残念なのは、描かれるエピソードが、過去と現在を行ったり来たりしすぎだった(少なくとも私には)ことと、どの事件も観客にある程度の知識があるのを前提に、もやもやと描かれていたこと。謎のままのことが多いので、明白な表現のしようがないとも言えますが、その中でも分かっている事実はもう少しハッキリ描いてくれてもよかったように思います。で、総合的に見ると、映画としてはちょっと欲求不満のたまるものでした。