これはよかったです。いい映画を見たあと、よく呆然と頭が真っ白になりますが、これもそうでした。何をどう言っていいか分からない感じ。実は先月見たんです。でもなんか、ずーっとショック状態というか・・・。
好きだった点を挙げようと思えばたくさん挙げられるはずなんです。ハンディカメラで撮った映像が生々しかったとか(それは監督が意図したことですが)。米軍を善、ドイツ(連合)軍を悪、とは描かず、投稿した兵士を「何言ってるか分かんないよ」なんて言いながら米兵が殺してしまうシーンがあったり。あ、そう、このお話は第二次大戦中ということになっています。トム・ハンクスがいいとかマット・デイモンもよかったとか、他の役者もよかったとか。
だけど、そういうたくさんの「すごくよかったこと」が映画の本筋を支えるオマケだったりするところがすごい。映画は一人の二等兵を救う使命を課された兵士達の運命を描いています。その二等兵、ジェームズ・フランシス・ライアンには三人の兄弟がいたのですが、三人とも別々の場所で戦死してしまい、その訃報を同じ日に母親が受け取ることになります。そこで、軍は行方不明になっている最後の一人を死なせないために、救出隊を編成するのです。米軍には本当にそういうポリシーがあるようです。
指名された兵士達はもちろんグチを言います。その一人のために自分たちが死ぬことになってもいいのか。自分達にも母親はいる・・・。当然ですよね。トム・ハンクスはこの救出隊を率いる役ですが、彼自身も疑問を抱きつつ、「俺たちは兵士として与えられた使命を果たすだけだ。使命を果たすことが家に帰ることにつながるからだ」と、兵士達をなだめます。その彼らが、度々危険にさらされ、言い争いもしつつ一つにまとまっていく様子、そしてついに見つけたライアン二等兵の人柄(もちろん兵士達は自分達が危険を冒す価値のある人柄を期待しています)、彼らを待っていた運命、そしてライアン二等兵がその事実をどう受け止めるのか・・・・・。
私はずっと戦争映画を避けていたのですが、何がきっかけだったのか最近いくつか続けて見ていて、見てみるとみんなよかったりします。戦争はよくないけど、戦争映画はいいと。なんかスッキリしないけど。戦争映画を認めて楽しむ(楽しむって、浮かれて見るわけじゃないんですけど)ことは戦争そのものを認めるような気がしていたのですが、そういうことでもなさそうです。
・・・「プライベート・ライアン」に話を戻して、もし自分がどちらかの立場になるとしたら、どっちがいいですか。ライアン二等兵を救う側と、救われる側のライアン二等兵と。・・・・戦争って、やっぱり嫌ですね。