マーガレット・サッチャー
鉄の女の涙

2012年イギリス、144分

監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、アレクサンドラ・ローチ、ジム・ブロードベント、ハリー・ロイド
公式サイト:http://ironlady.gaga.ne.jp/

2012年1月30日

わあ、この邦題、すごいですね。英語の原題は「The Iron Lady」で、「鉄の女」だけです。それで、強いサッチャー首相を振り返るようなつもりで見に行ったら、認知症が進んだ現在のサッチャー女史が予想外にクローズアップされていて、とても悲しい映画でした。彼女の変わり様が悲しかったのか、彼女の過去の振り返り方が悲しかったのか・・・・。だからあれを見た人がこういうタイトルを付けるのも分かる気がします。

私の周りでは「メリル・ストリープの演技はさすがに素晴らしいけど、映画そのものの作りはよくない」という評価を聞きますが、私は映画の作りも好きでした。暴動などの当時の映像に息をのみつつ、映画らしい豪華な映像も楽しみつつ、そしてラストシーンの美しさにため息をつきつつ、一緒に見ていたお友達と異口同音に「悲しかったね」と言いながら席を立ちました。やはり最近公開された伝記映画の「J ・エドガー」と同じように、主人公の現在と過去が行き来する描き方ですが、「J ・エドガー」で感じたような混乱はなく、見やすかったように思います。ただ、それを言ったらお友達は「そう?私は J ・エドガーの作り方の方が好きだったな」と言っていました。もしかしたら、今回は私は少しサッチャー女史のプロフィールを予習して行ったので、それがよかったのかもしれません。

映画の中で扱われる出来事は、これも「J ・エドガー」と同じように、たいした説明もなく流れていきます。この辺がどちらの映画も「詰め込み過ぎで深みがない」と批判される理由でしょう。フォークランド紛争など記憶に残る大事件もありますが、サッチャーが首相になる前に選挙に落選したときのことや、子供達の名前などは、前もって知っていた方が、ラクに映画の世界に入れるかと思います。

サッチャー女史が首相を務めたのは、私が9歳から20歳まででした。私にとってはいまだに、イギリスの首相と言えばサッチャー(ちなみにアメリカの大統領と言えばレーガン)です。彼女の政治がどうだったのか、政治にうとい私には分かりませんが、同じ女性として、あのイギリスを長年リードした人物として、やはり興味の尽きない人ではあります。

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