2006年アメリカ、151分
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン
公式サイト(日本):http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/
公式サイト(米):http://thedeparted.warnerbros.com/
このところ似たような映画を続けて何本か見たのですが、これは話の筋が一番分かりやすかったです。似たような映画・・・、日本では来月公開されるようですが、ディカプリオが CIA エージェントを演じている「ワールド・オブ・ライズ」、トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル 3」、あとなんだっけ?その三本ですかね。どれもスパイ活動がからんでますよね。「ディパーテッド」は警察とマフィアのスパイ合戦です。
ディカプリオが演じるのはマフィアに潜入した警察官ビリー。そのマフィア、ジャック・ニコルソン演じるコステロは、マット・デイモン演じる子分のコリンを、ビリーを送り込んだマサチューセッツ州警察のチームに潜入させていました。ビリーとコリンは同時期に警察学校を卒業し、州警察に配属されましたが、面識はありませんでした。州警察はコステロが活動するボストン南部の犯罪を一掃しようとしていますが、その動きはコリンによってコステロに筒抜け。コステロの動きはビリーによって警察に筒抜け。というわけで、間もなく双方がスパイの存在に気付き、スパイ探しが始まります。
それでね、マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィア、どっちがキツいと思います?映画ではディカプリオ演じる警察官ビリーの消耗が痛々しくて、それが緊張感を高めていました。正体がバレた場合、警察はスパイを逮捕しても、肉体的な危害は加えないと思うんですよね。コリンはむしろ親分コステロから受けるお仕置き、殺されることも含めて、警察よりもコステロを恐れていたと思うんです。でも、そのコステロと始終一緒にいたビリーの方が、ストレス度は高かったと思う。コステロに何をされるか分からないから。
しかもね、コリンは広々としたいいアパートを借りて、ガールフレンドもできて、いい暮らしを味わってるわけですよ。その一方でビリーは犯罪に加担し、闇を徘徊するような生活を余儀なくされる。ビリーはそもそも犯罪者だらけの家族の出身で、そこから脱出したくて警察官になったのに、そのバックグラウンドのせいでこの任務に"抜擢"され、マフィアと行動を共にすることになったわけで、それも哀れでした。コリンとは反対に女の子ともうまくいかないし。可哀想!(笑)
で、筋は追いやすかったですが、ラストは思いもよりませんでした。ラストシーンは私の周りではあまり評判がよくなくて、「なんか納得いかなかった」という感想を何人かから聞いていたのですが、私はまあ、ムカついたけどあれはあの終わり方でよかったと思います。何より、映画全編を通しての緊張感がすごかったです。同じ2006年に公開された「ブラッドダイヤモンド」も緊張感はあったけど、ディカプリオが演じたのは、欲なり願望なり失望なりをもっとストレートに表現できる役だったように思います。あれはあれで難しい役だったと思うけど。・・・そういう二つの役を、ディカプリオは同じ頃に演じていたんですねえ。
ディカプリオは2002年の「ギャング・オブ・ニューヨーク」、2004年の「アビエイター」に続いて、この映画でスコセッシ監督との仕事は三本目。ディカプリオを「スコセッシの新しいデニーロ(スコセッシとデニーロは度々一緒に仕事をしている)」と呼ぶ人もいるようです。で、これでディカプリオがアイドルから実力派俳優へ脱皮したなどとも言われているようですが、ディカプリオはもともと実力派だったじゃないか、と、なんかちょっとイライラしてしまいました。興行的には大成功だったとはいえ、そしてアレでディカプリオ人気が沸騰したとはいえ、「タイタニック」のせいでディカプリオはだいぶ遠回りしたと思う。ケイト・ウィンスレットもかわいげがなかったし、なんか忌々しいなあ。ディカプリオはまたウィンスレットと共演するみたいですけど。むう。